園芸用土の種類と選び方|野菜から花・観葉植物まで、用途別おすすめ配合も解説

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植物を育てるとき、土は植物の足元を支えるだけのものではありません。
根が水と酸素を得る場所であり、植物によっては養分を蓄える場所でもあります。どれほど丁寧に水やりをしても、光の当たる場所に置いても、土が合っていなければ植物は本来の力を発揮できません。

この記事では、園芸歴15年以上のわたくしが、趣味で野菜や花、観葉植物を育てている方に向けて、園芸用土の種類とそれぞれの特徴、植物に合わせた配合の考え方をまとめてみます。
「どの土を買えばいいかわからない」「配合土を自分で作ってみたい」という方に、具体的な判断基準をお伝えします。

かつてですね、家庭菜園検定っていう面白い民間資格があったんです。
結構、内容も本格的ですごく良い資格だなって思っていたんです。
わたくしは、基本的に観葉植物とかサボテン・多肉植物とか、果樹とかにしか興味がなかったこともあって、3級しか取らなかったんですけどね、それでも野菜に対する知識はすごく深まったのを覚えています。その時の知識も残っているので、ここで書いていきますね。

目次

土に求められる3つの役割


土選びの話をする前に、土が植物に対して何をしているかを整理しておきます。土が植物に対して果たす機能を、ここでは大きく3つに整理して考えてみます。

1つ目は、根を物理的に支えることです。地上に茎や葉を広げる植物は、土の中に根を張ることで体を安定させています。土が軽すぎたり、粒が大きすぎたりすると根が十分に張れず、植物がぐらついたり倒れたりします。

2つ目は、水と養分を保持して根に供給することです。植物は根から水分と養分を吸収します。土が水をまったく保持できなければ、水やりのたびにすぐ乾いてしまいます。逆に保持しすぎると根が常に水に浸かった状態になり、根腐れを起こします。保水性や保肥性と言ったりします。

3つ目は、根が呼吸できる空気の通り道を確保することです。根は生きている限り酸素を消費して呼吸しています。土の中に空気の通り道がなければ、根は酸素不足に陥り、やがてダメージを受けます。

この3つのバランスをとるために、園芸では複数の用土を組み合わせて使います。それぞれの用土が異なる特性を持っており、混ぜる比率を変えることで土の性質を調整できるようになっています。

基本用土の種類と特徴


基本用土とは、配合土の主体となる用土のことです。単独で使うこともありますが、多くの場合は複数を組み合わせて使います。

赤玉土

赤玉土は関東ローム層の赤土を乾燥・粒状に加工したものです。弱酸性(pH6.0〜6.5程度)で、粒と粒の間に空気の通り道が確保されやすく、保水性と通気性のバランスが取れています。園芸用土の配合でもっとも広く使われている用土のひとつで、多くの植物に対応できます。

粒の大きさは小粒・中粒・大粒の3種類があります。鉢植えや育苗には小粒、大型の鉢や庭植えには中粒が使いやすいです。

ただし、赤玉土は長期間使用すると粒が崩れてきます。崩れた赤玉土は細かい粒子ばかりになり、通気性が著しく低下します。鉢から取り出したとき、土が粉っぽい状態になっているのはこのサインです。そのため、使用後1〜2年を目安に新しい用土と交換するか、ふるいにかけて崩れた部分を取り除いて再利用するのが基本です。

ちなみに値段は張りますが、焼成赤玉土というものもあります。そちらは、赤玉土を高温で焼き固めた高品質な用土であり、非常に硬く崩れにくい(硬質)のが特徴です。サボテンや多肉植物を育てている方は割と好んで用いていたりします。

鹿沼土

鹿沼土は栃木県鹿沼市周辺で採取される軽石質の用土で、酸性(pH4.5〜5.5程度)という特性を持ちます。赤玉土よりも粒が崩れにくく、長期間通気性を保ちやすいのが特徴です。

酸性を好む植物、たとえばブルーベリー・サツキ・アジサイ・山野草などの栽培に特に適しています。また、挿し木用土や多肉植物の配合土にも使われます。単独で使うと酸性が強すぎる場合もあるため、育てる植物のpH適性を確認してから使用量を調整してください。

黒土

黒土は腐植物質を多く含む黒色の土で、関東平野の畑土として広く分布しています。保水性・保肥性が高く、野菜や花壇の土に混合して使われることが多いです。

単体では通気性が低くなりがちなため、赤玉土やパーライトと混合して使うことで、鉢植えにも応用できます。畑や地植えで野菜を育てる場合に、土壌改良の基本素材として使うことが多いです。

腐葉土

腐葉土はケヤキやナラなどの落葉広葉樹の葉が長期間かけて分解されたものです。黒〜こげ茶色で、土に混ぜることで団粒構造(大小の隙間が共存する構造)の形成を助け、通気性と保水性を同時に向上させます。また、微生物の餌となり、土壌の生物活性を高める効果もあります。

腐葉土は単独で使うのではなく、赤玉土や黒土などの基本用土に20〜30%程度混ぜるのが一般的です。完熟していない腐葉土は植物に悪影響を与えることがあるため、十分に分解が進んだもの(手で触れて葉の形が崩れ、独特の土の香りがするもの)を選ぶようにしてください。

購入の際は、「完熟」と書かれているものを選ぶと良いです。

ピートモス

ピートモスは水苔などの植物が堆積して分解されたものです。酸性(pH3.5〜4.0程度)で、保水性が非常に高く、繊維質な質感があります。単体では水をはじきやすい性質があるため、最初に十分水を含ませてから使うことが大切です。

酸性を好む植物の配合土に適しており、ブルーベリーや山野草の栽培に使われることが多いです。また、種まき培土や挿し木用土の素材としても使われます。保水性が高すぎる場合はパーライトを混ぜて通気性を補います。

なお、「酸度調整済み」と書かれたものもあるため、使用する植物に合わせて選ぶと良いかと思います。

改良用土(補助用土)の種類と特徴


改良用土は、基本用土に少量混ぜることで通気性・排水性・保水性などを調整するための用土です。単独で使うことはほとんどなく、配合の調整役として使います。

パーライト

パーライトは真珠岩(黒曜石の一種)を高温で焼成・膨張させた白い粒状の素材です。非常に軽く、通気性と排水性を高める目的で使われます。保水性はほとんどありません。

土が重くなりすぎるのを防いだり、根腐れしやすい植物の配合土に加えたりするのに役立ちます。混合量の目安は全体の10〜20%程度です。

バーミキュライト

バーミキュライトはひる石を高温で焼成したもので、薄い層状の構造を持ちます。保水性と保肥性が高く、通気性も確保できる素材です。

種まき用土や育苗土に多く使われており、発芽後の根が傷みにくいという利点があります。土壌改良材として赤玉土などに10〜20%混ぜて使うこともあります。

日向土(ひゅうがつち)

日向土は宮崎県日向地方で産出される軽石質の用土(ボラ土とも呼ばれます)です。粒の崩れにくさが非常に高く、通気性と排水性に優れています。保水性は赤玉土より低めです。

多肉植物・サボテン・盆栽など、長期間植え替えを行わない植物の配合土に適しています。粒が崩れにくいため、土質が長期間安定するのが最大のメリットです。

全然関係ないのですが、私は日向土がとても好きです。ただ、園芸農家の方の話を聞くと、九州ではお手頃な価格で買えるのに、それ以外だと輸送費の関係で高いらしいです。

川砂

砂は通気性と排水性を高めるために使われます。川砂はpHが中性に近く、不純物が少ないため、植物栽培に適しています。

サボテンや多肉植物など、排水性を特に重視する植物の配合に向いています。混ぜすぎると保水性が落ちすぎるため、全体の10〜20%以内に抑えるのが基本です。

市販の培養土について


ホームセンターや園芸店で売られている「○○用培養土」は、すでに複数の用土と肥料が配合されたものです。初心者の方や手軽に始めたい方には使いやすい選択肢です。

市販の培養土を選ぶときは、以下の点を確認すると良いかと思います。

「赤玉土・腐葉土・パーライト」など具体的な材料が書いてあるものは、品質管理がしっかりしている傾向があります。逆に「有機質素材配合」のような曖昧な表記だけのものは注意が必要です。配合成分の内訳が記載されているかどうかは大切な確認ポイントになります。

また、袋を手で押したときに適度な弾力があり、粒感が残っているものが良い状態です。袋の中でぎゅっと固まって土の塊になっているものや、開封時に強いにおいがするものは避けたほうが無難です。

市販の培養土は最初から肥料が含まれているものが多いため、袋の表示に目を通すようにしてみてください。
肥料が入っているものについては、植え付け直後の追肥は不要です。

植物別のおすすめ配合

野菜全般(家庭菜園・プランター栽培)

家庭菜園でトマト・ナス・ピーマン・きゅうりなどの野菜を育てる場合、保水性・保肥性・通気性のバランスが重要です。

プランター栽培の配合の目安は、赤玉土(小粒)5割・腐葉土3割・黒土1割・パーライト1割です。この配合は汎用性が高く、ほとんどの野菜に対応できます。
腐葉土が保水性と微生物の活性を助け、パーライトが通気性を補います。

地植え・畑の場合は、まず土壌のpHを確認することが大切です。多くの野菜は弱酸性から中性(pH6.0〜7.0)を好みます。酸性が強い場合は苦土石灰を1㎡あたり100〜150g程度混ぜ込み、2週間ほど置いてからpHを再確認してください。その後、腐葉土または完熟堆肥を1㎡あたり2〜3kg程度すき込み、深さ30cm程度までよく耕します。有機物を加えることで団粒構造が形成されやすくなり、野菜の根が張りやすい環境が整います。

葉物野菜・ハーブ類

レタス・ほうれん草・小松菜・バジルなどは根が比較的浅く、土壌の排水性よりも保水性と保肥性を重視します。配合の目安は赤玉土(小粒)4割・腐葉土4割・黒土2割です。ほうれん草は酸性を嫌うため、pH6.0以上を確認してから植えつけるようにしてください。

一年草・二年草(花壇・プランター)

マリーゴールド・ペチュニア・ビオラ・パンジーなどの一年草は、成長が早く養分の消費も多いため、保肥性の高い配合が向いています。配合の目安は赤玉土(小粒)6割・腐葉土3割・パーライト1割です。市販の「花と野菜の培養土」もこれに近い配合になっているものが多く、そのまま使用できます。

多年草・宿根草

チューリップ・ダリア・ラベンダーなどの多年草は、長期間同じ場所で育つため、土壌の通気性と排水性が特に重要になります。根が過湿にさらされ続けると根腐れを起こしやすいため、水はけのよい配合にします。配合の目安は赤玉土(小粒)6割・腐葉土2割・パーライト2割です。

観葉植物

ポトス・モンステラ・フィカスなど熱帯原産の観葉植物は、適度な保水性と通気性が必要です。
特に鉢内の蒸れに弱い種類が多いため、排水性を確保することが大切です。配合の目安は赤玉土(小粒)5割・腐葉土3割・パーライト2割です。

市販の「観葉植物の土」をそのまま使用しても問題ありません。受け皿に水を溜めたままにする管理は根腐れを招きやすいので、水やり後30分程度で受け皿の水は捨てるようにしてください。

多肉植物・サボテン

多肉植物とサボテンは乾燥に強く、過湿に非常に弱いという特徴があります。通気性と排水性を最優先にした配合が必要です。配合の目安は赤玉土(小粒)4割・日向土3割・川砂2割・パーライト1割です。

市販の「多肉植物・サボテン用の土」はすでにこのような排水性重視の配合になっていることが多く、初めての方はそちらを使うほうが失敗しにくいです。

ブルーベリー

ブルーベリーはpH4.5〜5.5という強い酸性を好む植物で、通常の培養土では育ちにくいという特徴があります。専用の用土配合が必要です。配合の目安はピートモス5〜6割・鹿沼土3〜4割・パーライト1割です。

市販のブルーベリー専用培養土も販売されていますが、自分で配合する場合はpHメーターや土壌酸度計でpH4.5〜5.5の範囲に入っているか確認するとより確実です。

畑の土と鉢の土はなぜ違うのか


畑で使う土と鉢で使う土は、目的が似ていてもその性質は大きく異なります。この違いを理解すると、なぜ「畑の土をそのまま鉢に入れてはいけない」と言われるのかが明確になります。

畑の土は地面につながっているため、余分な水は下へ抜けていきます。根が深くまで伸びられるため、多少の過湿があっても酸素を求めて根が下に伸びることができます。

一方、鉢植えは限られた容積の中に土が入っており、底の穴から水が抜ける構造です。畑から持ってきた土をそのまま鉢に入れると、重くて密度が高いために水はけが悪くなり、根に酸素が行き渡らなくなります。鉢の土には軽くて通気性の高い用土が必要な理由はここにあります。

プランターや鉢で野菜を育てる場合は、畑の土ではなく市販の培養土か、赤玉土を主体とした配合土を使うようにしてください。

土のpH(酸度)について


pHは土壌の酸性・アルカリ性の度合いを示す数値で、0〜14の範囲で表します。pH7が中性で、それより小さければ酸性、大きければアルカリ性です。

日本の土壌は雨が多いため、自然状態では弱酸性に傾きやすい特徴があります。多くの野菜や花はpH6.0〜7.0の弱酸性から中性の土壌を好みますが、植物によって適したpH域は異なります。

主な植物のpH適性の目安をまとめると次のようになります。ほうれん草はpH6.5〜7.0、トマト・ナス・ピーマンはpH6.0〜6.5、きゅうり・かぼちゃはpH5.5〜6.5、ジャガイモはpH5.0〜6.0(酸性側を好みます)、ブルーベリーはpH4.5〜5.5、アジサイはpH4.5〜6.5(酸性ほど青色が強まります)、バラはpH6.0〜7.0、ラベンダーはpH6.5〜7.5(やや中性〜アルカリ寄り)です。

土のpHを上げる(酸性を弱める)には苦土石灰や消石灰を使い、下げる(酸性を強める)には硫黄粉末やピートモスを使います。市販のpH調整剤も販売されています。
pHが合わないと、たとえ土壌に養分があっても植物が吸収できない「養分の固定」が起きることがあります。植物が元気に育たない原因のひとつにpHのずれがあることを覚えておくと、トラブル対処の幅が広がります。


※これはちょっとした雑学かもしれませんが、アジサイはよく、pHが酸性だと青、アルカリ性だと赤、みたいに言われますよね。アジサイの花に含まれるアントシアニンという色素は、アルミニウムイオンと結合すると青色になります。そして、酸性の土ではそのアルミニウムイオンが溶け出しやすくなり、根が吸収することで青色が強まる傾向があります。なので、土中のアルミニウムが少ない場合は、酸性土壌でも花色が赤の場合もあります。

古い土の再利用について


一度使った土は、微生物のバランスが崩れていたり、病原菌が残っていたり、養分が消耗していたりします。そのままプランターや鉢に入れ直すと、連作障害(同じ科の植物を繰り返し育てることで起きる生育不良)や根腐れの原因になることがあります。

古い土を再利用する場合は、以下の手順を踏むことで状態を改善できます。
まず、使用後の土は鉢から取り出してよく乾燥させます。乾燥させることで一部の病原菌や害虫を減らすことができます。次に、ふるいを使って古い根や粒が崩れて粉状になった土を取り除きます。

ただし、病気が出た植物の土や、根腐れが起きた土の再利用は避けることをおすすめします。病原菌が残っている可能性が高く、新しい植物に影響が出るリスクがあります。

面倒なのですが、ふるいをかけた土を、冬場であればビニールシートの上に薄くならすようにして土を置いて、寒さに当てて病害虫を減らす、夏場であれば黒いビニール袋に土を入れて、その中に水を土全体がしっかり湿るくらい入れて太陽光に当てて熱処理をするという方法があります。一番確実なのは、やはりこの熱処理ですね。これをやるとどんなに古い土でも殺菌も殺虫も完了しているので安心して使えます。

その後、土壌改良材(腐葉土・堆肥など)と緩効性肥料を適量加えて混ぜ、数週間ほど置いてから再利用します。

あと、全然関係ないのですが、シダ類はかえって栄養がない方が良いのか、殺菌しただけの古い土のほうが元気に育つ印象があります。

まとめ

園芸用土の選び方は、最初は複雑に思えるかもしれませんが、基本的な考え方は「植物が根を張りやすく、水と空気のバランスが保てる土をつくること」に尽きます。

基本用土(赤玉土・鹿沼土・黒土など)を主体として配合し、腐葉土で保水性と微生物活性を補い、パーライトや日向土で排水性と通気性を調整します。育てる植物のpH適性を確認し、必要であれば石灰や酸度調整材を使って土のpHを合わせます。鉢植えは畑の土を使わず、通気性と排水性を重視した軽い配合にします。

植物に合った土を使うことで、水やりや施肥の管理もずっとしやすくなります。ぜひ、今育てている植物に合わせて土を見直してみてください。


悩んだ時は、ホームセンターのプライベートブランドの「〇〇培養土」が結局のところ一番楽です。
あ、でも、観葉植物など屋内で育てる植物の土については、「観葉植物の土」か「加熱処理済み」と書かれているものか、オリジナルで作る場合には無機質な土(腐葉土・有機堆肥以外)で作らないと、コバエとかの嫌な虫が湧くのでご注意ください。

わたくしの一押し培養土はこちらになりますので、最寄りのホームセンターとかで見かけた際にはぜひ購入して使ってみてください。虫も湧かないし、臭いもないし、粒も潰れないので、サボテン・多肉植物・観葉植物なんかにはすごくオススメです。↓↓↓
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刀川(たちかわ)平和農園さんの土、本当に良いんですよ。

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