やさしいまなざし– tag –
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祈りは気休めではなかった──科学と心理学が明かす、手を合わせることの意味
整える暮らしの断片
「気休めかもしれない」と思いながらも、つい神頼みに手を合わせてしまうことはありませんか?試験の前夜に、あるいは誰かの病気が早く治ることを願うとき。初詣の賽銭箱の前で。信仰の有無にかかわらず、多くの人が何かに向かって言葉を捧げます。「これで何かが変わるのだろうか」という疑念がどこかにあっても、それでも手を合わせる。こういった感覚を持つ人は、決して少なくないはずです。この記事では、祈りという行為が心と身体にどのような影響を与えるのかを、心理学・脳科学・生理学の研究をもとに読み... -
一年を24に、さらに72に──二十四節気と七十二候で知る、季節の解像度
整える暮らしの断片
カレンダーに「立春」と書いてあっても、窓の外はまだ冷たい風が吹いている。「春が来た」とは到底感じられない、あの違和感——。反対に「大暑」という文字を見たとき、漢字だけで変に身構えてしまって、体に汗の気配を覚えることがあったりする——。二十四節気の名前には、そういう力があります。一年を24に区切り、さらにそれを72にまで細かく刻んだ暦の体系が、日本で使われるようになってから1000年以上が経ちます。デジタルカレンダーが当たり前になった今も、二十四節気の名称は手帳の片隅に印刷され、天気予... -
考えるのをやめたとき、脳は何をしているのか──意識と無意識の処理について
整える暮らしの断片
締め切り前日の夜、いくら考えても答えが出なかったのに、翌朝起き上がったとたんにふと解決策が浮かんだ。あるいは、ずっと思い出せなかった人の名前が、まったく別のことをしている最中に突然戻ってきた。こういった経験、皆さんも一度はあるのではないでしょうか?いや、一度ならず何度もあるかもしれませんね。不思議なのは、考えることをやめた後に答えが出てくる、という点です。考え続けていたときには出てこなかったものが、手放した瞬間に現れる。このとき、脳の中では何が起きているのでしょうか。この... -
言霊はなぜ今も生きているのか──古代の信仰と現代科学の意外な接点
整える暮らしの断片
「ありがとう」と口にした瞬間、自分の気持ちも少し和らいだことはありませんか?あるいは、愚痴や不満を言い続けているうちに、本当に気分が沈んでいってしまったことはありませんか?言葉は、誰かに何かを伝えるための道具のはずです。それなのに、発した言葉が自分自身の内側にまで作用する感覚を、多くの人が経験しています。日本には古来より、「言霊(ことだま)」という思想が根付いていました。言葉そのものに霊的な力が宿り、口にした言葉が現実に影響を及ぼすという信仰です。現代においても言霊という... -
「苦手な人」がいるのは、あなたの器の問題ではなかった──心理学から見る苦手意識の正体
はたらくときのまなざし
「あの人のことが、なんか苦手で⋯」そう感じてはいるけれど、明確な理由を説明しようとすると言葉に詰まる。特別なトラブルがあったわけでも、大きな失礼を受けたわけでもない。それでも、その人が近くにいるだけで気持ちがざわついて、短い会話のあとに妙な疲れだけが残る。こうした感覚が続くと、「自分の心が狭いのかな」「もっと大らかに構えられればいいのに」と感じはじめることがあります。あるいは「大人なんだから、苦手な人とも上手くやらなければ」と、自分の感覚を押さえ込もうとすることもあるかもし... -
集中できないのには、理由がある。脳と環境が示すこと。
整える暮らしの断片
「今日こそ集中しよう」と決めて机に向かったのに、気がつけばスマートフォンを手に取っていた。やることはわかっているのに手が動かない。それどころか、集中できている人と自分のあいだに、何か根本的な違いがあるような気がしてしまう。こうした経験を「自分の意志が弱い」という言葉で片づけてきた人は多いはずです。でも、集中できないことには、意志や性格とはまったく別の次元で説明できる理由があります。脳の注意システムがどう動くか、環境がどのように認知に影響するか——そういった仕組みを知ることで... -
目標は、立て方で変わる。立て方で変える。心理学で考える目標設計
整える暮らしの断片
年が変わるとき、あるいは何かの節目を迎えるとき、「今度こそ」という気持ちが胸の中に湧いてくることがあります。ダイエットしたい、本を読む習慣をつけたい、資格を取りたい、もっと丁寧な暮らしをしたい。その気持ち自体は本物で、決して嘘ではありません。ただ、辛い現実で見ると、目標というものは立てるだけでは動き出しません。どんなに強い気持ちで立てた目標でも、形の整っていない目標は、日常の中でじわじわと存在感を失っていきます。この記事では、「目標をどう立てるか」という設計の部分に焦点を... -
読書が処方される時代──ビブリオセラピーと、本が心に届くメカニズム
整える暮らしの断片
気持ちが落ち着かない夜に、なんとなく本を手に取ったことはありませんか?読み終えて、特に何かが解決したわけでもないのに、少しだけ息がしやすくなった──そんな経験に、思い当たる方もいるのではないでしょうか。「本を読むと楽になる気がする」という感覚は、気のせいでも、現実逃避でもありません。読書がもたらす精神的・認知的な効果は、脳科学・心理学・情報科学などの分野で研究が積み重ねられており、今や医療・福祉の現場で「処方」される実践にまでなっています。この記事では、「ビブリオセラピー(... -
人といると、なぜこんなに消耗するのか──空気を読みすぎる人の脳と神経の話
整える暮らしの断片
会話が終わって、ひとりになった。ようやく落ち着けると思ったのに、頭の中ではさっきの会話がまだ動いています。「あの発言、場の雰囲気を壊してなかっただろうか」「笑ってくれたけど、本当に笑っていたのだろうか」「もう少し早く話題を変えるべきだったか」。帰宅してからも、布団に入ってからも、再生がはじまる。誰かといる間にエネルギーを使うのは当然としても、その後もずっと消耗が続く——。ひとりになったのに気が抜けないし、疲れているはずなのに眠れない。そういう経験に心当たりがある方は、少なく... -
何が違うのか、つかめないまま終わる──空気を読み違える人の認知と観察の話
整える暮らしの断片
笑いながら話していたはずなのに、気づくとその場が少し冷えていた。会話は続いているし、誰かが怒っているわけでもない。⋯でも何かが変わった気がする。そしてその「何か」が最後までわからないまま、その日は終わった。こういう経験が繰り返されると、やがて「自分は空気が読めないんだ」という感覚にたどり着くことがあります。何を直せばいいかを考えようとする前に、「どうせまた同じことをやる」という漠然とした不安が出始めて、気が付けば、人と会うこと自体が億劫になっていく。「空気を読むとは何か?」...
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