小さな実践– tag –
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AIに聞く前に、自分に問えているか──思考力を手放さないための距離のとり方
調べる・記録する・伝える
調べようと思って、AIに聞く。 返ってきた答えを読んで「なるほど」と思い、次に進む。 特に違和感はなかった。でも思い返してみてください。あなたは、その時、何かを考えましたか? プロンプトは考えたかもしれません。でも、AIの回答に対しては、どうだったでしょうか。便利だから使う。それは当然のことです。ただ、「便利だから使う」が積み重なったとき、どこかで「自分で考える」という作業が、少しずつ外注されていきます。不便になっているわけではありません。むしろ、すべてがスムーズに進んでいきます... -
環境が変わっても「いつかしたい」のまま──先送りを好む、脳のとある性質
わたしのなかの遠い場所
「時間ができたら始めたい」「お金が貯まったら行きたい」「仕事が落ち着いたら連絡しよう」──そんな言葉を自分に言い聞かせたまま、気がつけば何年も経っていた。そういう経験は、誰にでも一度や二度あるのではないでしょうか。私自身、会社員を辞めて数ヶ月が経ったとき、あることに気がつきました。働いていた頃に「いつかしたい」と思い描いていたことが、時間という制約がなくなったはずの今も、ほとんど手つかずのままだったのです。寝台列車に乗りたい、行ったことのない土地を旅したい、英語の勉強をした... -
行動が習慣に変わる日──脳が作る自動化の話
整える暮らしの断片
「今度こそ続けよう」と思って始めたことが、気づいたらやめていた。——そういう経験は、誰にでもあるはずです。不思議なのは、やるのは「決めた」のに、やめようとは明確に「決めたわけではない」ことです。ある朝ふと気づいたら、昨日も一昨日もその行動をしていなかった。始めたばかりのころの感覚はどこへ行ったのだろうと思いながら、また「今度こそ」という気持ちが湧いてくる。そのサイクルを繰り返してきた方は、案外多いのではないでしょうか。こうした経験を重ねると、多くの人は「自分は続けられない性... -
考えるのをやめたとき、脳は何をしているのか──意識と無意識の処理について
整える暮らしの断片
締め切り前日の夜、いくら考えても答えが出なかったのに、翌朝起き上がったとたんにふと解決策が浮かんだ。あるいは、ずっと思い出せなかった人の名前が、まったく別のことをしている最中に突然戻ってきた。こういった経験、皆さんも一度はあるのではないでしょうか?いや、一度ならず何度もあるかもしれませんね。不思議なのは、考えることをやめた後に答えが出てくる、という点です。考え続けていたときには出てこなかったものが、手放した瞬間に現れる。このとき、脳の中では何が起きているのでしょうか。この... -
言霊はなぜ今も生きているのか──古代の信仰と現代科学の意外な接点
整える暮らしの断片
「ありがとう」と口にした瞬間、自分の気持ちも少し和らいだことはありませんか?あるいは、愚痴や不満を言い続けているうちに、本当に気分が沈んでいってしまったことはありませんか?言葉は、誰かに何かを伝えるための道具のはずです。それなのに、発した言葉が自分自身の内側にまで作用する感覚を、多くの人が経験しています。日本には古来より、「言霊(ことだま)」という思想が根付いていました。言葉そのものに霊的な力が宿り、口にした言葉が現実に影響を及ぼすという信仰です。現代においても言霊という... -
Google検索離れの背景を読み解く──道具が変わっても、変わらないこと
調べる・記録する・伝える
Googleで何かを調べる、という行動が「当たり前」ではなくなりつつあります。調べものをTikTokで始め、詳細をAIに聞き、購入の判断はInstagramの口コミで決める。そういった情報収集の流れが、特に若い世代を中心に広がっています。Googleが「検索の代名詞」であった時代に育った世代にとっては、少し不思議な光景かもしれません。この記事では、Google検索に何が起きているのか、どんな道具が台頭しているのか、そして道具が変わるなかで変わらないものは何かについて、順を追って整理していきます。 Google検索... -
ちゃんと話しているのに伝わらない──職場のコミュニケーションを整える、チャンネルという視点
はたらくときのまなざし
報告はきちんとしました。言葉も慎重に選びました。それなのに、「なんで早く言ってくれなかったの?」と返ってくることがあります。あるいは、丁寧に書いたつもりのメールなのに、なぜか冷たい印象のある返信が来たこともあります。そういった経験はないでしょうか?「自分の伝え方が悪いのかな」と感じて、また言葉を選び直す。でも次も似たようなことが起きる。こういう場面が繰り返されると、自分のコミュニケーション能力そのものに問題があるのではないかという気持ちになってきます。しかし実際には、伝わ... -
「苦手な人」がいるのは、あなたの器の問題ではなかった──心理学から見る苦手意識の正体
はたらくときのまなざし
「あの人のことが、なんか苦手で⋯」そう感じてはいるけれど、明確な理由を説明しようとすると言葉に詰まる。特別なトラブルがあったわけでも、大きな失礼を受けたわけでもない。それでも、その人が近くにいるだけで気持ちがざわついて、短い会話のあとに妙な疲れだけが残る。こうした感覚が続くと、「自分の心が狭いのかな」「もっと大らかに構えられればいいのに」と感じはじめることがあります。あるいは「大人なんだから、苦手な人とも上手くやらなければ」と、自分の感覚を押さえ込もうとすることもあるかもし... -
集中できないのには、理由がある。脳と環境が示すこと。
整える暮らしの断片
「今日こそ集中しよう」と決めて机に向かったのに、気がつけばスマートフォンを手に取っていた。やることはわかっているのに手が動かない。それどころか、集中できている人と自分のあいだに、何か根本的な違いがあるような気がしてしまう。こうした経験を「自分の意志が弱い」という言葉で片づけてきた人は多いはずです。でも、集中できないことには、意志や性格とはまったく別の次元で説明できる理由があります。脳の注意システムがどう動くか、環境がどのように認知に影響するか——そういった仕組みを知ることで... -
“気をつければ防げた”は本当か──ヒューマンエラーとマインドフルネスの意外な関係
はたらくときのまなざし
「なぜあんな簡単なミスをするんだろう」──他者に対してそう思ったことはありませんか?あるいは、「気をつけていたのに、またやってしまった」と、自分自身に呆れた経験はないでしょうか。職場でミスや事故が起きると、私たちはほぼ反射的に「誰が悪かったのか」「なぜ気をつけなかったのか」という方向に思考が向かいます。これは日本の職場に限った話ではなく、あらゆる組織に共通して見られる傾向です。私はかつて医薬品・化粧品の工場で、品質管理や品質保証の業務に携わっていました。厳格なGMP(医薬品製造...
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