小さな実践– tag –
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読んだはずなのに、思い出せない。記憶と想起の話
調べる・記録する・伝える
テキストを何度も読み返した。大事だと思ったところには線も引いた。それなのに、いざ試験の本番や、職場で誰かに説明しなければならない場面になると、内容がどこかに消えてしまっている。そういう経験が、一度くらいはあるのではないでしょうか?私はと言いますと、一度と言わず何度もあります。プレゼンのときなんかは顕著にありましたね⋯。そんなとき、「私は記憶力が悪い」と結論づけてしまいがちですが、実はこの現象には、記憶の仕組みそのものが関係しています。読むという行為と、思い出すという行為は、... -
植物栽培の基本を植物生理学と土壌学の視点で見てみる
整える暮らしの断片
植物を育てていると、なぜかうまく育たないという経験をしたことがある方は多いと思います。あるいは、しっかりと本やネットに書いてある通りにやったのに、枯れてしまった。なんてことも。結局、何がいけなかったのかわからない――。今回は、かれこれ園芸歴15年以上のわたくしが、植物生理学と土壌学の知識を軸に経験を交えながら、そういったお悩みを解決できるかもしれない記事を書いていきます。あまり触れられない植物栽培の基本のなかにある原理原則を知ることで、植物栽培を立体的に見られるようになり、園... -
落ち込みには、意味があった──気分が冴えないとき、体が守ろうとしているもの
整える暮らしの断片
「なんだか気分が冴えない」と気づく瞬間は、どんなときですか。朝、目が覚めてもどこか気が重たい。やらなければいけないことはあるのに、気力が湧いてこない。理由がはっきりしていればまだいいけれど、「なんとなく」としか言いようのない落ち込みが続いているとき、多くの人はまずこう考えます。「自分がおかしいのだろうか」「もっと前向きにならなければ」と。でも、立ち止まって考えてみると、落ち込みを「なくすべき不具合」として扱うことが、本当に正しい向き合い方なのかどうか、少し疑問が残ります。... -
書くことの驚くべき効果——脳科学が明かす、手書きが思考を変える理由
調べる・記録する・伝える
キーボードで文字を打つことが当たり前になったいま、ペンを手に取って何かを書く機会は確実に減っています。会議のメモもスマートフォン、アイデアの記録もデジタルノート、日々の予定管理もアプリが担う。その便利さを否定するつもりはありません。ただ、「手書きのほうがなんとなく頭に入る気がする」「手帳に書いた予定は忘れにくい」という感覚を持ったことはないでしょうか。学校でノートを手書きしていたころのほうが内容をよく覚えていた、という記憶を持つ方もいるかもしれません。その感覚は、気のせい... -
その練習が上達の邪魔をしていることがある──脳が上達を止める仕組み
調べる・記録する・伝える
「続けているのに、なぜか上手くならない。」そう感じたことは、一度や二度ではないかもしれません。文章を毎日書いているのに、伝わり方は変わらない。楽器を何年も練習しているのに、あるところから先に進めない。語学を学び続けているのに、会話になると言葉が出てこない。そういうとき、多くの人は「自分の努力が足りないのではないか」「才能がないのではないか」という結論に向かってしまいます。ですが、練習の量や意欲の問題ではない可能性があります。脳科学と認知心理学の研究が積み重ねてきた知見によ... -
なぜ月曜の朝はこんなにも重いのか──仕事への拒否感を、心理学と生理学から読み解く
はたらくときのまなざし
月曜の朝、目覚まし時計が鳴る前から、なんとなく気持ちが重い。布団の中で「今日、仕事か⋯」と思い、ため息が出る。そういう朝が続いているとしたら、それはあなたの根性や気持ちの問題ではないかもしれません。とりわけ、「仕事に行きたくない」という感覚は多くの人が経験します。しかし、それを「甘えだ」「気合が足りない」と片づけてしまうと、身体と心が出している大切なサインを見落としてしまうことがあります。心理学や生理学の分野では、この感覚の背景にある仕組みが少しずつ明らかになってきています... -
知識を持つほど、伝わらなくなる──「知識の呪い」という認知バイアス
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丁寧に書いたはずなのに、「何が言いたいのかわからない」と言われた。 その分野をよく知る人の説明が、なぜかひどくわかりにくかった。こういった現象は、説明する力の問題でも、言葉の選び方の問題でもありません。知識を持つことで生じる、認知上の変化が原因です。心理学と行動経済学の研究が「知識の呪い(Curse of Knowledge)」と名付けたこの現象は、書き手と読者の間に生じる断絶の正体のひとつです。知っているからこそ、伝わらなくなる。その構造を、知見とともに照らします。「なぜか、うまく相手に伝... -
読み手の脳は、ページを開いた瞬間に帰るかどうかを決めている
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文章を書き終えて、公開する。アクセスはある。でも、エンゲージメント率は上がらない。つまり、ほとんど読まれていない。ヒートマップやスクロール計測のデータを見ると、多くの読者がページの上部だけを眺めて離脱しているのが可視化されます。「内容が悪かったのか」「タイトルで期待させすぎたのか」と原因を探したくなりますが、離脱の理由はそれほど単純ではありません。読者がページを閉じるかどうかは、文章の「中身」に到達するより前で、ほぼ決まっています。ページを開いた瞬間から、脳はすでに情報処... -
やってみたら大変だった──オンライン秘書のリアルな難しさ
はたらくときのまなざし
「未経験でも始められる」「スキルがなくても大丈夫」「自分のペースで働ける」──オンライン秘書という仕事を調べると、こうした言葉によく出会います。入口が広いことは確かで、実際にそれは事実でもあります。ただ、始めてみたら思っていたよりずっと大変だった、なんとなく続けにくかった、という声も、決して少なくありません。それは、始めた人の意欲や能力の問題ではなく、この仕事が持つ構造的な難しさに起因していることが多いのです。私はかつて、製薬会社で社長秘書として働いていた時期があります。ス... -
司書という仕事のやりがいと本音——経験者が振り返る、図書館の裏側
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司書に興味を持ったとき、多くの人がまず調べるのは「仕事内容」や「資格の取り方」です。それはもちろん大切なことですが、「実際どうなの?」という部分はなかなか出てきません。私自身、司書として働いていた時期があります。短い期間でしたが、そこで経験したことは、どんな解説記事にも書いていないことばかりでした。この記事では、司書という仕事の概要を押さえながら、経験者としての視点もところどころに織り交ぜています。司書を目指している方にも、ただ図書館という場所に興味がある方にも、少し具体...
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