法則と仕組み– tag –
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インターホンや電話の音が苦手なのはなぜか──”無視できない”ように設計された音と脳の話
整える暮らしの断片
インターホンが鳴るたびに、身体がびくっとしてしまう。電話の着信音が聞こえた瞬間、胸のあたりが固まる感じがする。音が止んでからも、しばらくのあいだ心拍が落ち着かない。「これくらいで動揺するなんて、自分は気にしすぎだろうか⋯」と思ったことはないでしょうか?実のところ、そうとは言い切れません。インターホンや電話の着信音が強く不快に感じられるのは、あなたの感覚が過敏なせいでも、気にしすぎているせいでもありません。その音は、あなたを無視させないよう、意図的に設計されたものです。脳が反... -
品質を「管理する」と「保証する」は、なぜ別の仕事なのか
まもるしくみ、つくるしくみ
「品質管理と品質保証って、何が違うんですか?」医薬品・化粧品の工場で働いていたころ、この質問を何度も受けました。社内の新人研修でも、異動してきたばかりの同僚との会話でも。どちらも「品質」という言葉がついているせいか、同じような仕事だと思われがちです。実際、私自身が購買・生産管理・品質管理・品質保証と、複数の役割を横断しながら働いていたため、「一言で説明するのが難しい」とずっと感じていました。ただ、長く現場に関わるうちに、ある整理の仕方にたどり着きました。管理は、工程を正し... -
嫌な記憶は残り、夢はすぐ消える──眠っている間に脳がしていること
調べる・記録する・伝える
昨日の会議で誰かに言われた一言が、なぜか翌朝になっても頭に浮かびます。一方で、目が覚めた瞬間に「いい夢だった」と感じても、数分後にはその内容がどこかへ消えています。この非対称さは、意志や記憶力の問題ではありません。眠っている間に脳が行っている「選別」の仕組みが、そのまま表れているだけなのです。睡眠と記憶の関係というと、「寝る前に暗記すると定着しやすい」という学習法の話になりがちです。しかしそれは、脳が夜にやっていることのごく一部に過ぎません。脳は眠りの中で、記憶を固定する... -
なぜ信号機は三色なのか ── 鉄道から始まった色分離の制度設計
まもるしくみ、つくるしくみ
信号機の色は、交通の制度や道路環境は国ごとに異なるものの、多くの国で共通しています。赤と黄と青(緑)。この三色が用いられ、その配置や切り替わりの順序も、国際的に一定の原則が共有されています。なぜ三色なのか。二色では足りなかったのか。四色にする選択はなかったのか。信号機は、色を並べているのではありません。交通の場面で必要とされる判断を、段階として整理しているのです。その整理の仕方は、鉄道信号の体系を起点として形づくられ、道路交通の制度の中で定義されてきました。この記事では、... -
ほこりに懐かれる電子機器たち──帯電とほこりの見えない関係
整える暮らしの断片
テレビの画面、パソコンの背面、冷蔵庫や洗濯機。 丁寧に拭いたはずなのに、数日も経たないうちにまた薄くほこりが積もっている。 「またここか」と思いながら布で拭いて、翌週にはまた同じ場所が同じように白くなっている。掃除の頻度が足りないのか、それとも拭き方が悪いのか。 そう思って何度も繰り返すうちに、小さな徒労感のようなものが積もっていきます。ただ、あの「また同じ場所だけ」という現象には、掃除の仕方とは別のところに原因があります。その正体は、帯電。 電子機器の表面に電荷がたまり続け... -
公園の禁止事項はなぜ多すぎるのか──地域の調整機能が失われた先に見えるもの
まもるしくみ、つくるしくみ
公園に足を運ぶたびに、入り口の看板が増えている。そう感じたことはないでしょうか?「ボール遊び禁止」「自転車乗り入れ禁止」「大声禁止」「ペット立入禁止」「飲食禁止」。一枚ずつなら読める範囲でも、ずらりと並ぶとさすがに多すぎると感じます。その感覚は、おそらく正しいのだと思います。全国の公園で、禁止事項の数は実際に増え続けています。報道でも「禁止看板が10枚以上並ぶ公園」が取り上げられることがあり、地域住民や子育て世代を中心に「多すぎる」という声は以前からあります。ではなぜ、こう... -
あなたの体も磁石だった?意外と知らない人体の磁場の話
調べる・記録する・伝える
冷蔵庫の扉をピタッと閉じるマグネット。コンパスが指す北。イヤホンやスピーカーの内部にも、小さな磁石がひそんでいます。磁石が引きつけるこの“見えない力”の源こそ、「磁気」と呼ばれる物理的性質です。磁気とは、磁石や電流がもつ性質のこと。その磁気が周囲に影響を及ぼす空間が「磁場」です。たとえば磁石の周囲に鉄粉をまくと、独特の模様が浮かび上がる──あれは磁場が目に見えるかたちで示されたものです。そして実は、私たちの体内でも電気の流れによって磁場が生まれていることをご存じでしょうか?脳... -
コンセントのほこりがやらかす、トラッキング現象のしくみ
整える暮らしの断片
冷蔵庫の裏や洗濯機の下。テレビ台の裏や足元。そして、何年も動かしていない電化製品のプラグたち。そこに積もったほこりを、「いつか掃除しなければ」と思いながら後回しにしてきた経験は、多くの方にあるのではないでしょうか。動かすのが大変だったり、見えない場所だから気づかなかったり。理由はさまざまですが、悪意があるわけではありません。ただ、コンセント周りに積もったほこりは、ある条件が重なると電気火災の原因になることがあります。そして、この現象には「トラッキング現象」という名前がつい... -
スキンケアが気持ちを変えるのは、脳にも届くように設計されていたからだった
整える暮らしの断片
スキンケアをしているとき、なんとなく気持ちが落ち着く感覚を覚えたことはありませんか。洗顔後に化粧水をなじませるとき、ふわっと広がる香りに少しだけ息を整えたくなる感覚。乳液を塗り終えたとき、肌がしっとりして「今日もちゃんとできた」という小さな充足感。お気に入りのコスメを手に取るだけで、なぜか気持ちが少し前向きになる。そんな体験を、「きっと気のせいだろう」と思っていた方もいるのではないでしょうか。私はかつて、化粧品メーカーで製造管理・品質管理の業務に携わっていました。化粧品が... -
政治の話って難しいよねぇ⋯
まもるしくみ、つくるしくみ
政治の話って、難しいですよね。選挙特番をつけてみたものの、解説者が次々と知らない人の名前を出してきて、気づけばチャンネルを変えていた。政治の話を見聞きしながら「うんうん」とうなずいているのに、「で、結局これって何が変わるの?」という感覚が残る。政治の話題になると、どこかふわっとしたまま終わってしまう。そういう経験が続くうちに、「自分には政治のことを理解する力がないのかな」と思い始めた人も、きっといると思います。あるいは、「政治の話はよくわからないしなんか嫌だな」と敬遠して...
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