問いを立てる力– tag –
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なぜ信号機は三色なのか ── 鉄道から始まった色分離の制度設計
まもるしくみ、つくるしくみ
信号機の色は、交通の制度や道路環境は国ごとに異なるものの、多くの国で共通しています。赤と黄と青(緑)。この三色が用いられ、その配置や切り替わりの順序も、国際的に一定の原則が共有されています。なぜ三色なのか。二色では足りなかったのか。四色にする選択はなかったのか。信号機は、色を並べているのではありません。交通の場面で必要とされる判断を、段階として整理しているのです。その整理の仕方は、鉄道信号の体系を起点として形づくられ、道路交通の制度の中で定義されてきました。この記事では、... -
散らかった部屋は本当に創造性を高めるのか─ 研究からわかる「環境と思考」の関係
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部屋が散らかっていると、どこか落ち着かない。片付けなければ集中できない気がする。そんな感覚を覚えたことがある人は多いはずです。一方で、きれいに整えた机に向かっても、なぜか考えがうまくまとまらないと感じる場面もあります。近年、心理学研究の紹介記事などで、散らかった部屋のほうが創造性を高める可能性があるという話が取り上げられることがあります。偏見なのかもしれませんが、確かに思い浮かぶ研究者や科学者の机の上は割と散らかっている印象があったりしますね。ただ、ここで本当に考えるべき... -
身近な人にショックを受ける理由は「期待が崩れたから」だけだった
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身近な人の言動に、必要以上に心が揺れてしまった経験はないでしょうか?言われた言葉を何度も思い返したり、翌日になっても気持ちが落ち着かなかったり。そのわりに、あとになって出来事そのものを振り返ると「これだけのことで?」と自分でも首をかしげたくなるような、些細なことだったりします。そうすると今度は、「自分が気にしすぎているのかもしれない」「こんなことで動揺するのは、心が弱いせいだ」という考えが浮かんできます。ただ、その解釈はおそらく的を外してしまっています。身近な人の言動によ... -
「わからないまま」でいる力──現代人が失いかけている思考の余白
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「それで、あなたはどう思うの?」職場の会議でも、友人との会話でも、SNSの投稿でも、私たちはいつも意見や答えを求められています。それも、できるだけ早く、できるだけはっきりと。そこには「わからない」と言いにくい空気があります。「まだ考えています」と答えると、頼りなく見えてしまう気がする。だから私たちは、まだ固まっていない考えをなんとか形にして、「こう思います」と言葉にします。でも、そのたびに、心のどこかで何かを置き去りにしている感覚があったりしませんか?もう少し時間をかけて考え... -
アートに触れると、思考に何が起きるのか──『わからない』から始まる感性の話
はたらくときのまなざし
「アートはよくわからない」と感じたことがある方は、少なくないのではないでしょうか。何を見ればいいのかわからない。どう感じればいいのかわからない。解説を読んでも、作者が何を伝えようとしているのかがつかめない。そういう感覚のまま美術館を出て、「自分にはアートは向いていないのかもしれない」という結論を抱えて帰ったことがある方もいるかもしれません。私自身、学芸員として展示の現場に関わりながら、「見る側」としての美術館が長い間うまくわかりませんでした。この作品は何を描いたものなのか...
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