健康的な食生活は「完璧」より「バランス」が大切

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「健康的な食生活を送りたいけれど、何が正解なのかわからない」「果物や野菜を毎日決まった量食べられていないけれど大丈夫なのか不安」という人は多いのではないでしょうか。

かくいう私も食生活はあまり褒められたものではございません。以前に食の検定 3 級を取得した時の名残で、頭の中では常に「一日に推奨される量は果物200g、野菜350g」ってのがぐるぐると巡っている次第。全然取れていないのだけれど、大丈夫なの?と、ふと気になったので調べてみました。

健康的な食生活とは、必ずしも「毎日果物200g、野菜350gを食べること」ではないようです。もちろん、これらの推奨量を意識することは大切ですが、それよりも バランスよく栄養を摂取し、無理なく続けられる食習慣を作ることが重要とのことです。ということで、今回は、「健康的な食生活」の基本と、果物や野菜の摂取量が不足しがちな場合の対策について詳しく解説します。

目次

健康的な食生活の基本とは?

健康的な食生活を送るためにまず意識したいのは、「主食・主菜・副菜」のバランスです。これに乳製品や果物を適度に取り入れることで、栄養バランスのとれた食事になります。

① 主食(炭水化物)

  • :ごはん、パン、麺類、オートミール など
  • 役割:体のエネルギー源になる
  • 目安
    • ごはん(150g/1食あたり)
    • 全粒粉パン(60g/1食あたり)
    • そば(100g/1食あたり)
  • ポイント
    • 白米よりも 玄米、雑穀米、全粒粉パン などを選ぶと、食物繊維やミネラルも摂れる
    • 過剰な糖質摂取を避けるために、精製された炭水化物(白米や白いパン)を控えめにする

② 主菜(たんぱく質)

  • :肉、魚、卵、大豆製品(豆腐・納豆など)
  • 役割:筋肉や臓器を作り、代謝を維持する
  • 目安
    • 鶏むね肉(100g/1食あたり)
    • サバ(80g/1食あたり)
    • 卵(1個/1食あたり)
    • 豆腐(150g/1食あたり)
  • ポイント
    • 脂質の少ない肉(鶏むね肉、赤身肉)や魚(サバ、サーモン) がおすすめ
    • 植物性たんぱく質(大豆製品)も取り入れると栄養バランスが良くなる

③ 副菜(ビタミン・ミネラル・食物繊維)

  • :野菜、きのこ、海藻
  • 役割:体の調子を整え、免疫力を高める
  • 目安
    • ほうれん草(70g/1食あたり)
    • トマト(100g/1食あたり)
    • しいたけ(50g/1食あたり)
  • ポイント
    • 色の濃い野菜(ほうれん草、にんじん、トマトなど)は栄養価が高い
    • きのこや海藻もミネラルや食物繊維が豊富なので積極的に取り入れる

果物や野菜の摂取量が足りなくても健康的な食生活は可能?

厚生労働省は、1日の野菜摂取目安を350g、果物を200gと推奨しています。しかし、これらの量を毎日完璧に守らなければ健康ではない、というわけではありません。

① 果物が200g未満でも大丈夫な場合

  • 野菜をしっかり摂っている
    • 例:ブロッコリー(100gでビタミンC 120mg)、ピーマン(1個でビタミンC 80mg)
  • 糖質の摂りすぎを避けたい
    • 例:りんご1個(約300g)の糖質は約35g
  • ナッツやヨーグルトなど他の健康食品を摂っている
    • 例:無糖ヨーグルト+アーモンド10粒

② 野菜が350g未満でも大丈夫な場合

  • 豆類やきのこ、海藻を活用する
    • 例:納豆(1パック50g)+ワカメ(10g)+しいたけ(50g)=約100gの野菜と同等の栄養価
  • 栄養価の高い野菜を選ぶ
    • 例:ほうれん草50g(ビタミンA・C・鉄分豊富)
  • 多くの食品を組み合わせる
    • 例:豚肉とピーマンの炒め物(ビタミンB1+ビタミンCの相乗効果)

健康的な食生活を無理なく続けるコツ

① 適量を意識する

  • 「腹八分目」を心がける
    • 「まだ少し食べられるけれど、ここで止めておこう」という状態
  • 夜遅くの食事を控える
    • 就寝2時間前には食べ終えるのが理想

② 偏りをなくす

  • 特定の食品に頼らない
    • 例:炭水化物だけ、肉だけ、野菜だけにならないようにする
  • 食材の種類を増やす
    • 例:1日10種類以上の食材を意識する

③ 無理をしすぎない

  • できる範囲で少しずつ改善する
    • 例:白米を玄米に変える、野菜を少し増やす
  • 完璧を求めない
    • 「食べなければいけない」と思いすぎるとストレスになるため、無理のない範囲で続ける

まとめ

ということで、果物200gや野菜350gを毎日食べられなくても、全体のバランスを考えて食事をすれば十分健康的な食生活は送れるということがわかりました。大切なのは、バリエーションを増やし、適量を意識しながら続けられる食習慣を作ること。健康的な食生活は、「何かを制限する」ことではなく、「無理なくバランスを取ること」です。

日々の食事の中でできることから少しずつ取り入れ、楽しく健康を維持していきましょう!

おまけ(果物200g・野菜350gの根拠

果物200gや野菜350gという推奨摂取量は、日本人の健康を維持し、生活習慣病の予防に役立つとされる科学的根拠に基づいた目標値です。これらの基準は、厚生労働省が発表している「健康日本21」や「日本人の食事摂取基準」に基づいています。

野菜350g

① 生活習慣病の予防

厚生労働省は、「健康日本21」において、1日350g以上の野菜を摂取することで、生活習慣病(がん、高血圧、糖尿病、心血管疾患など)のリスクを低減できるとしています。

野菜には、ビタミン、ミネラル、食物繊維、抗酸化物質が豊富に含まれており、これらが以下のような健康効果をもたらします。

  • 高血圧の予防:野菜に多く含まれる カリウム は、ナトリウム(塩分)を排出し、血圧を下げる効果がある。
  • 動脈硬化・心疾患の予防:野菜に含まれる 抗酸化成分(ビタミンC・E、ポリフェノールなど) が、血管を健康に保つ。
  • 腸内環境の改善:食物繊維が腸内の善玉菌を増やし、便秘や腸内フローラの乱れを防ぐ。

② WHO(世界保健機関)の推奨基準

WHOは、成人に対して1日400g以上の果物と野菜を摂ることを推奨しており、これには 野菜が350g・果物が50g以上 含まれることが望ましいとされています。これは、がんや心疾患、糖尿病などの生活習慣病を予防するために必要な量として設定されています。

③ 野菜の内訳

「健康日本21」では、350gのうち、緑黄色野菜を120g以上、淡色野菜を230g以上摂取することを推奨しています。

緑黄色野菜(120g以上)

  • ほうれん草、小松菜、ニンジン、ピーマン、ブロッコリー、カボチャ など
  • βカロテン(ビタミンAの前駆体)が豊富で、抗酸化作用が強い

淡色野菜(230g以上)

  • キャベツ、レタス、大根、きゅうり、もやし など
  • 水分が多く、カリウムや食物繊維を多く含む

果物200gの根拠

① 生活習慣病の予防

果物には ビタミンC・カリウム・ポリフェノール・食物繊維 などが豊富に含まれており、これらが以下の健康効果をもたらします。

  • 高血圧予防:カリウムがナトリウムを排出し、血圧を調整する。
  • 動脈硬化予防:ポリフェノールやビタミンCが抗酸化作用を持ち、血管の健康を保つ。
  • 便秘解消:果物の食物繊維が腸の動きを活発にする。

② 日本人の食事状況に基づく基準

日本人の食事摂取基準(2020年版)では、「果物の摂取量が不足するとビタミンCや食物繊維が不足しやすくなるため、1日200gを目安にすることが望ましい」とされています。

日本人の平均果物摂取量は約110g/日(令和元年「国民健康・栄養調査」)であり、推奨量である200gには届いていません。これを補うために、1日200gの果物摂取が目標 とされています。

③ 具体的な摂取量の目安

果物200gは以下のような量になります。

  • りんご(中サイズ1/2個、約150g)+ みかん(1個、約50g)
  • バナナ(中サイズ1本、約100g)+ キウイ(1個、約100g)
  • ぶどう(約20粒、約200g)

必ずしも厳密に守る必要はない

果物200g、野菜350gという数値はあくまで目安であり、厳密に守ることが最重要というわけではありません。大切なのは 食事全体のバランスを意識すること です。

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