調べる・記録する・伝える– category –
ひとつの言葉から、静かに広がっていく知のかたち。
資料に触れ、情報をたどり、記録を残し、構造をなぞるように。
調べる・記録する・伝えるという営みを、
そっと見つめていく場所です。
-
好きだったのにうんざりするのはなぜ? 脳科学で読み解く“飽きと拒絶感”
好きで何度も聴いていた曲が、ある日、「なんだかもう聴きたくない…」となってしまったことはありませんか?あるいは、国民的アニメのキャラクターをテレビで見て「なんか見たくないな…」と。これらは、「飽き」によるものですが、なぜ、かつて好きだったものが、うんざりする対象へと変わってしまうのでしょうか。そこには脳の働きが深く関わっています。本記事では「飽き」が「拒絶感」や「うんざり感」に変わるメカニズムを脳科学の観点から解説し、身近な体験と結びつけて考えていきます。 「好きだったのに避... -
なぜ、我々はAIに苛立ってしまうのか?
ふだんの仕事や暮らしのなかで、AIを使う場面が増えてきました。調べもの、文章の整理、アイデア出し──たしかに便利です。しかし、しばしば苛立ちを感じることはないでしょうか。原因が明らかなものから理由のわからないものまで、様々な苛立ちを…。「なんでそんなこと言うの?」「ちがう、そうじゃない」「全然伝わらない…」思わずモニター越しにぼやきたくなる あの瞬間。それは、人が短期だからでも、AIが未熟だからでもないのかもしれません。本記事では、「AIに苛立つ」という感情の背景にある構造を、心理や... -
言葉にできないモヤモヤを味方に—心の声を取り戻すコミュニケーション術
会話の最中に「なんとなくしっくりこない」と感じたり、人とのやりとりで理由の分からないモヤモヤが残ったりすることはありませんか。こうした違和感は誰にでも起こる身近な感覚ですが、うまく言葉にできないまま心に抱え込むと、ストレスにつながったり、大切なサインを見逃したりすることがあります。この記事では、違和感が生まれる心理的な背景、その感覚が持つ意味、そして言葉にして伝えるための具体的な方法を紹介します。モヤモヤを味方につけることで、自分の気持ちを整理し、人とのコミュニケーション... -
香りが記憶を呼び覚ますのはなぜ?プルースト効果と脳科学で読み解く“香りの記憶”の正体
ふとした香りが、思いがけず過去の記憶を鮮やかに蘇らせた──そんな体験をしたことはありませんか?たとえば、道すがら漂ってきた香水の匂いで初恋の人を思い出したり、焼き菓子の香りで幼い頃の家庭の風景がよみがえったり。香りはまるで“記憶のスイッチ”のように、自分でも忘れていたような心の奥にしまわれていた出来事や感情を一瞬で引き出します。この現象は「プルースト効果」として知られ、文学的な比喩に使われることにとどまらず、脳科学の領域でもそのメカニズムが明らかにされつつあります。香りが記憶... -
空気を読むとは何か|日本の“察し文化”と読みすぎないための実践ガイド
職場の会議で発言のタイミングを見計らったり、友人との会話で「この話題、出して大丈夫かな」と考えたり──日常のなかで、私たちはしばしば“空気”に気を配りながら行動しています。日本社会では、「空気を読むこと」が円滑な人間関係のための常識とされ、無意識のうちに多くの人がそのスキルを求められています。しかし、「空気を読むってどういうこと?」と改めて問われると、うまく説明できる人は実はそう多くはありません。さらに厄介なのは、“空気”という見えない概念において、空気を読まないと批判されるこ... -
お経とは何か?種類・代表的経典・宗派ごとの違いと暮らしに活かすヒント
お葬式や法事の場で耳にする「お経」。独特の響きを持ち、まるで呪文のようにも聞こえるお経ですが、その意味について深く考えたことはありますか?そもそも、なぜ「お経を唱えるのか?」「お経に意味があるのか?」など、考え出すと様々な疑問が出てくるかと思います。実は仏教には3000種類を超える経典が伝わっており、宗派ごとに重視するお経が異なります。こうした違いには、それぞれの教えの特色や、長い歴史の積み重ねが映し出されています。この記事では、「お経とは何か」という基本的な問いからはじまり... -
神社に仏像があるのはなぜ?神仏習合の歴史と現代に残る日本文化のかたち
神社に仏像が祀られていたり、お寺の境内に鳥居が立っていたり──そんな不思議な光景を見かけたことはありませんか。この背景には「神仏習合」という、日本独特の宗教文化があります。この文化は神道と仏教が長い歴史のなかで互いに影響し合い、融合してきた結果、日本人の生活や価値観に深く根付いてきました。本記事では、神仏習合の基本から、奈良・平安時代における成立の経緯、本地垂迹説(ほんちすいじゃくせつ)の考え方、具体的な神社仏閣の事例、さらに明治の神仏分離や現代に残る痕跡までを順を追ってわ... -
お賽銭はどこへ行く?知られざる祈りのかたちとお金の役割
神社やお寺での参拝に欠かせないお賽銭。「御縁がありますように」と5円玉をよく入れたりしますよね。多くの人が当たり前のように賽銭箱へお金を納めていますが、その歴史や意味、お賽銭の実際の使い道については意外と知られていません。お賽銭は、もともと収穫物を供える行為から始まり、貨幣経済の浸透とともにお金へと形を変えました。さらに現代では、境内の整備や建物の修繕、行事の開催など、宗教法人の運営を支える財源の一つとして重要な役割を担っています。この記事では、お賽銭の起源と文化的背景、神... -
なぜ公園で“あれもダメこれもダメ”が増えているのか?子どもの遊び場が失われる理由
近所の公園に立ち並ぶ「ボール遊び禁止」「大声禁止」「自転車乗り入れ禁止」といった看板に、違和感を覚えたことはありませんか。かつて子どもたちが走り回り、声を上げて遊んでいた場所が、今では静かで規制の多い空間へと変わりつつあります。子どもの遊びを制限するルールは、なぜここまで増えてしまったのでしょうか。背景には、制度の変化や社会の価値観、住民の声と行政の対応といった複雑な要因が交錯しています。この記事では、こうした「禁止だらけの公園」が生まれる仕組みをひもときながら、その影響... -
学びが変わるのは内容の質だけじゃない──画面サイズ・再生速度と理解度の関係を科学的に読み解く
学びの成果を左右するのは、教わる内容や教材の質だけでしょうか。実は、「どんな環境で学ぶか」も、理解力や記憶の定着に大きな影響を及ぼします。たとえば、スマートフォンの小さな画面で動画を視聴したときや、倍速で講義を流し聞きしたとき──思ったほど頭に残らなかった経験はありませんか?このような学習スタイルの違いが、認知負荷や情報処理にどう影響するのかは、心理学や教育工学の分野でも注目されています。本記事では、画面サイズと再生速度が理解度に与える影響を科学的な視点で明らかにし、どんな...