科学の入口– tag –
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好きだったのにうんざりするのはなぜ? 脳科学で読み解く“飽きと拒絶感”
好きで何度も聴いていた曲が、ある日、「なんだかもう聴きたくない…」となってしまったことはありませんか?あるいは、国民的アニメのキャラクターをテレビで見て「なんか見たくないな…」と。これらは、「飽き」によるものですが、なぜ、かつて好きだったものが、うんざりする対象へと変わってしまうのでしょうか。そこには脳の働きが深く関わっています。本記事では「飽き」が「拒絶感」や「うんざり感」に変わるメカニズムを脳科学の観点から解説し、身近な体験と結びつけて考えていきます。 「好きだったのに避... -
なぜ汗を流すと涼しい? 汗の膜と気化熱で読み解く“体の冷却メカニズム”
汗をかくとベタついて不快──これは誰もが感じていることだと思います。では、「ベタついているときほど、なんか暑い!」とは感じたことはありませんか?そこでふと疑問に思うんです。「汗で体温を下げるはずなのに、かえって体が熱く感じるのはなぜだろう?」と。じっとりとした暑さに耐えきれず、「早くシャワーを浴びたい!」と思う瞬間です。そして実際にシャワーを浴びると、一気に涼しさを感じる。同時に、全身の皮膚がスッキリとした清涼感に包まれます。この違いの背景には、「汗がつくる膜」と「体から熱... -
【クロノタイプ診断】4つの動物型でわかる最適な時間活用術|働き方と生活リズムを科学的に改善する方法
「なぜ朝が苦手なのだろう」「午後になると急に眠くなる」「夜になると頭が冴えて仕事がはかどる」────こんな経験はありませんか?実は、こうした時間の得意・不得意は、怠けや体調不良、生活習慣の問題ではなく、遺伝的に決まる体内時計の特性「クロノタイプ」が関係しています。近年注目を集めている「クロノタイプ」とは、遺伝的に決まっている私たち一人ひとりの体内時計の特性のことです。このクロノタイプを理解することで、自分が最もパフォーマンスを発揮できる時間帯が分かり、仕事や勉強、生活全般の効... -
香りが記憶を呼び覚ますのはなぜ?プルースト効果と脳科学で読み解く“香りの記憶”の正体
ふとした香りが、思いがけず過去の記憶を鮮やかに蘇らせた──そんな体験をしたことはありませんか?たとえば、道すがら漂ってきた香水の匂いで初恋の人を思い出したり、焼き菓子の香りで幼い頃の家庭の風景がよみがえったり。香りはまるで“記憶のスイッチ”のように、自分でも忘れていたような心の奥にしまわれていた出来事や感情を一瞬で引き出します。この現象は「プルースト効果」として知られ、文学的な比喩に使われることにとどまらず、脳科学の領域でもそのメカニズムが明らかにされつつあります。香りが記憶... -
時間が早く感じるのはなぜか──年齢・脳・感情から解き明かす2つの科学的仕組み
「気づけばもう夜になっていた」「この一年が本当にあっという間だった」──そんな感覚を持つことはありませんか?子どもの頃には一日がとても長く感じられたのに、大人になると一週間や一年が一瞬で過ぎ去る。この現象には、ちゃんとした科学的な理由があります。ポイントは“時間が短く感じる”ことにも2つの仕組みがあるということです。ひとつは、年齢や代謝の変化によって神経の反応や脳の処理速度が遅くなり、記憶に残る出来事の数が減るために、振り返ると短く感じる仕組み。もうひとつは、楽しい体験や没頭し... -
汗はすべて同じじゃない?──サウナ・運動・お風呂・夏の汗を比べて見えてくること
サウナで流れる汗、運動でにじむ汗、湯船でじんわり出る汗、そして夏の暑さなんかで噴き出す汗。それらは同じ汗ではありますが、実際には仕組みも意味も異なります。「汗をかくと健康にいい」と言われることがありますが、実は、その考えが成り立つのは、汗の種類やかき方によって作用が違うことを知っている場合に限られます。この記事では、サウナ・運動・お風呂・夏という4つの場面での発汗を比較し、それぞれの特徴や体への影響を科学的に整理します。汗に対する思い込みを解きほぐし、日常生活での健康習慣に... -
あなたの体も磁石だった?意外と知らない人体の磁場の話
冷蔵庫の扉をピタッと閉じるマグネット。コンパスが指す北。イヤホンやスピーカーの内部にも、小さな磁石がひそんでいます。磁石が引きつけるこの“見えない力”の源こそ、「磁気」と呼ばれる物理的性質です。磁気とは、磁石や電流がもつ性質のこと。その磁気が周囲に影響を及ぼす空間が「磁場」です。たとえば磁石の周囲に鉄粉をまくと、独特の模様が浮かび上がる──あれは磁場が目に見えるかたちで示されたものです。そして実は、私たちの体内でも電気の流れによって磁場が生まれていることをご存じでしょうか?脳...
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